2010年5月25日火曜日
風水と自然科学
「風水」は,自然現象の記録とその体系化ではありませんので,「自然科学」の範疇に,入ることはありません.
風水には,「学」と「術」があるようだと前に書きましたけど,上記のような定義法でいけば,「風水学」は古典を論拠として必要とするのに対し,「風水術」はそういうものは必要ありません.なにを根拠にするのかというと「連想」というのが「当たり」のようです.
一応(この「一応」というのが重要な点です),「学」も「術」も「自然観察に基づく」と主張しますが,重視はしていないようです.
「学」は「古典に基づ」きますので,論理の展開には自ずから規制がありますが,「術」は「連想に基づ」きますので,論理展開には,かなりの自由度があります.論理に明白なギャップがあっても,あまり気にしません.
たとえば,「黄色や金色のグッズは金運を高める」などという主張は,なんの根拠も示されるわけではなく,単に色による「連想」としか考えられませんね.そもそも,古典風水には「金運UP」などという概念はどこにもない.
連想は,そもそも,個人々々の「脳」の中にしかありません.
このため,「風水術」は「A氏の風水術」,「B氏の風水術」,…,といった様相を示し,互いに矛盾することもしばしばです.
現代風水術は,「風水術を用いる」というよりも,特定の「風水先生を信じる」ことという様相を示しています.
なぜ,こうなってしまったのかは,おいおい,考察してみることにしましょう.
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