風水について考えるブログです.

現代の風水は,非常に複雑な容貌を持っています.
もちろん,古代風水も単純ではありませんが,それなりに筋が通っているように思えます.
中華圏で発生した風水は, 風水であるだけに周囲の地理的環境の影響を受け,変化したようです.
さらに,世俗的な欲求から,多様な要素が付け加わっているようです.

これらを整理してみようという試みです.
 

2010年6月27日日曜日

風水土

 
 このブログの始め方を間違えていたような気がします.
 風水に対する「スタンス」のことです.

 仕切り直し.

 風水の定義に関する,良い文献を見つけました.
 それは,
 目崎茂和「風水・風土・水土」(7-29頁,木崎甲子郎・目崎茂和編「琉球の風水土」築地書館)
 です.

  


 風水はなんのために存在したか.
 それは,人間が「住」を求める時に,どのような場所が,安全で快適であるか.それを判定するためでした(言い過ぎ.「だと思います」程度かな).
 風水は,「地理学」であるというようないい方もされますが,そんなちっぽけな学問一分野に納めるのは無理があります(ここでいう「地理学」は現代地理学のこと.風水の別名とされる(原初)「地理学」は,たぶんこれを目的としていた).

 目崎氏によれば,「風水」は,本来は「風水土」であり,これは,地学(地球科学)でいうところの,「気圏」・「水圏」・「岩石圏」に当たるものだそうです.
 日本のように,「水」に恵まれた地域では,「水」は,それこそ「空気」のようなもので,存在が意識できない.だから,日本では「水」が略されて「風土」という.
 沖縄のように,「水」が貴重な地域で,かつ,毎年のように「台風」におそわれ,「気」に気をつけなければならない地域では「土」が略されて「風水」がのこる.これは,沖縄で生活しているから,気付いたことでしょうね.

 さて,話を戻すと,「気圏」・「水圏」・「岩石圏」は我々を取り巻く「環境」の全てです.イコール「地球」ではないところに注意.「三圏分立」というような発想が生まれたころは,非常に重要なことが,一つ忘れられていましたからね.それは,われわれが大きく絡んでいる「生物圏」です.
 三つの圏で「地球」と考えるか,四つの圏で「地球」と考えるか,これはわずかな違いですが,非常に大きな違いですね.


 詰まるところ,風水は環境論なのです.「風・水・土」だけではなく,「生」も含めた.
 地球上には,「生命」が数限りなく満ちあふれているために,まるで「空気」のように忘れられているのでしょう.「生態系」ということでは,最近なにかと話題になりますが,なにか,方向を間違えているような気がする.

 さて,たぶん,あと一つ,なにか足りないような気がしますが,その一つは,(もしあれば)議論を進めてゆくうちに,見つかるでしょう.
 

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